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コンプリートシールド

コンプリートシールドはシース(表皮)およびコアにテフロン加工を用いて耐水性・強度を上げています。
ちなみに、テフロン加工とは、デュポン社が開発した撥水ポリマー(重合体)をロープ全体に覆う加工になります。 この加工により、水や埃、塵などの微細粒子がロープに入り込む事を防ぐだけでなく、 ロープ自体の強度や摩耗に対する耐性をも上げています。

水分はロープの構造だけでなく、単繊維レベルまで浸入します。 そのため、ロープは重くなりクライミングに適さない状態になるだけでなく、ロープの強度までも落とします。 高湿度(特に日本は高湿度!)や雪・冬などのコンディションはロープの材質に悪影響を及ぼします。
耐水性の実験
テンドン社は”コンプリートシールド加工”により、水に対する耐性を格段に高めています。 ロープを水に浮かべて(沈めて)、一定期間経過後の重量を測定したデータを以下に記載いたします。
実験ロープ
の重量
水に浮かべた(沈んだ)後の重量沈んだ
タイミング
1時間後5時間後24時間後
シールドなし
1001491581621分後
コンプリートシールド
10011412712724時間後も沈まず
この実験によりコンプリートシールドによる耐水機能の高さが証明されています。
高湿度での変化
通常、水を多く含んだロープは、乾いた状態に比べて強度が弱くなります。 特に湿った状態で雪などによりロープが凍りついた時の強度は大きく落ちてしまいます。 
90%の湿度環境に24時間放置した前後のUIAAフォールズ(耐墜落回数)を計測した実験結果を以下に記載いたします。
実験ロープ
Ambition10.5
乾いた状態での
UIAAフォールズ
湿った状態での
UIAAフォールズ
シールドなし
97
コンプリートシールド
99
UIAAフォールズの値が変わらないように、コンプリートシールドをほどこしたロープは高湿度による強度への影響はほとんどありません。
次に、90%の高湿度に24時間置き各時間の5分間ずつ雪を直接接触させたロープの前後のUIAAフォールズ(耐墜落回数)の実験結果を以下に記載いたします。
実験ロープ
Ambition10.5
乾いた状態での
UIAAフォールズ
湿った状態での
UIAAフォールズ
シールドなし
94
コンプリートシールド
97
UIAAフォールズの値がシールドなしの値は「5」落ちたのにも関わらず、コンプリートシールド加工のロープでは「2」となり、雪の状態でのコンプリートシールドの優位性が証明されています。

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